System Center製品群の中にOrchestratorという製品があります。通称SCOと呼ばれていたりします。
色々と言いたいことはあるとは言え、あえて、一言で言ってしまえば自動化ツールです。
今回はこのSCOはIntegration Pack(統合パック)という拡張パッケージを使って、色々なシステムの自動化モジュールを組み込むことができます。今回は、「Windows Azure Integration Pack for Orchestrator」に使ってAzureの自動化をしていきます。お見せするシナリオは仮想マシンの作成と削除の自動化です。
AzureのIaaSを使って驚いたことの一つに、インスタンスを停止(シャットダウン)しただけでは課金が止まらないということがあります。
EC2は検証の前にインスタンス起動して、終わったらシャットダウンだけで、コストを必要最小限に抑えられていたのですが、Azureではシャットダウンだけでなく、インスタンスそのものを削除しないと課金が止まりません。
インスタンスの削除はボタン一つなので、手間自体はOSシャットダウンにプラス一手間といった程度ですが、OSのシャットダウンと違いスケジュールできないのが痛いです。そして、インスタンスの登録に関しては通常ウィザードベースの作業が必要で、とても日々の運用に耐えられません。
↓毎回こんなウィザードを流すのは辛いです。
今回は私が実際にSCOM(System Center Operations Manager)の検証に使用していた仮想マシンである「yoscom01」に対して自動操作をしていきます。
本日のSCOMの検証も一段落ついていたので、課金されないよう現在は仮想マシンを削除してありますので、以下の画面にもyoscom01はありません。(サブスクリプションが無料評価版なのは今は置いておいてください)
仮想マシンは削除されていますが、これから先またいつでも使えるようにディスクは残してあります。
明日の朝、検証を始める時には、このディスクを使って仮想マシンを作成する必要があります。こんなことを毎日やっていくわけにはいかないので、これからはこれでいきます。
System Center Orchestratorの仮想マシンの作成用のRunbook開きます。
Runbookの中には仮想マシン作成に必要な各種パラメータが埋め込まれています。例えば基になるディスクのIDなども含まれます。
Runbookを実行します。
これでウィザード無しで仮想マシンを作成できます。yoscom01のプロビジョニングが始まってます。
yoscom01が正常に立ち上がりました。
これで毎朝にやっていた作業がぐっと楽になりました。
今度は夜に検証が終わった後のことです。仮想マシンを削除したいと思います。
仮想マシンの削除用のRunbookを開きます。
実行します。
これで仮想マシンは削除されます。
いかがでしたでしょうか。今回は分かりやすいシンプルなシナリオということで、仮想マシンの作成と削除を取り上げましたが、もちろん他の作業も色々と自動化できますし、アプリケーションやOSのシャットダウンも含めた複数のRunbookを繋げて自動化ももちろんできます。
また、今回はRunbookを手動で実行していますが、もちろんスケジュール実行もできますし、他のSystem Center製品との連携なんかも可能です。例えばSCSM(System Center Service Manager)で承認フローを流してからAzureの処理をするなども可能です。
次回からは今回の仕組みの実装編として
【System Center】Azure Integration Pack for Orchestrator -Integratoin Pack導入
【System Center】Azure Integration Pack for Orchestrator -Integratoin Pack設定-
と続きます。