今回は、SCVMMやSCOMと比べると少し敷居が高く感じるSystem Center App Controller (SCAC)です。このSystem Center App Controller 2012をインストールしていきます。
インストール後のAzureとの接続手順はこちらに書きます。
System Center App Controller (SCAC)とWindows Azureを接続し管理する
Microsoftは明確にハイブリッドクラウドというメッセージを出してきています。AWSやGoogle、Salesforceなどよりは若干遅れが見えたものの、Azureという本物のパブリッククラウドを持っている会社で、既存の環境であるOn-Premise側でも圧倒的存在感のあるMicrosoftだからこそ打ち出せるメッセージに感じます。
ハイブリッドクラウドが最終ゴールであるかは賛否両論あると思いますが、現実的にはEnterprise系のシステムがすぐに全て一気にパブリッククラウドに行くことは難しいはずで、一度は通る道であることは確かだと思います。
Dynamic Infrastructure Toolkit for System Center (DIT-SC)の頃からMicrosoftがやろうとしていたOn-Premise側のプライベートクラウドはSCVMM、SCSM等でかなり実現されてきています。AzureにもついにIaaSが出てきました。後はこれらをハイブリッドクラウドとして使用するため、もう一段階抽象化して、管理者がプライベートクラウド、パブリッククラウドを意識しないインターフェースが必要となってきます。SCACはその役目を担っていると思っています。
前置き長くなりましたが、System Center App Controllerをインストールをしてみます。他のSC製品と比べてもインストールはかなり簡単だと思います。
Microsoftの公式の手順はこちらです。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/gg696046.aspx
手順としては以下の3ステップです。
- SQL Serverインストール
- SCVMMコンソールインストール
- SCACインストール
では順番に見ていきます。
1.SQL Serverのインストール
SCACの前提条件としてSQL Serverをインストールしておく必要があります。
照合順序は_100_ が付くものを選んで下さい。
上記の手順ではリンク切れになっていたので、_100_の付く照合順序はこちらから探してみて下さい。
http://msdn.microsoft.com/en-us/library/ms188046.aspx
特別な要件が無ければデータベースサービスと管理ツールだけあれば問題なく動きます。
2.SCVMMコンソールのインストール
次はSCVMMの管理コンソールのインストールです。
これをいれておかないとSCACのインストールの前提条件チェックに引っかかります。
SCVMMのインストーラーを実行します。
インストールする機能は「VMMコンソール」だけでOKです。
コンソールだけなので、あまりパラメータはありません。まずはインストール先。
ポート構成です。SCVMM側で設定したポートを入れて下さい。デフォルトは8100のはずです。
コンソールだけなのですぐに完了します。
3.SCACインストール
インストーラー(setup.exe)を管理者権限で起動します。
ライセンス条項を読んで同意します。
IIS等必要な前提条件は自動でインストールしてくれます。
インストールパスを選択します。
アカウントはNetwork Service アカウントまたはドメイン アカウントです。今回はドメインのAdministratorで設定してしまいましたが、ドメインアカウントは専用のアカウントを作ることが推奨されてます。
ここで設定するポートはApp Controlerの内部通信で利用されます。
Webブラウザで接続するときに使う、IPアドレスとポートを指定します。接続はHTTPSのみみたいです。既存の証明書が無ければ、自己証明書でも動きます。
SQL Serverの設定をします。
カスタマエクスペリエンス向上プログラムへの参加設定をします。
これでパラメータが全て揃いました。
インストールはそんなに時間かかりません。
インストールが完了したらパラメータで指定したHTTPSの接続先にブラウザからSCACにログオンできるようになります。Microsoft Silverlightが必要です。
次は実際にAzureへの接続設定に関して書きます。