今回はSystem Center Operations Manager 2012 SP1の新機能である、GSM(Global Service Monitor)の設定をします。
Global Service Monitorとは、名前の通りグローバルに展開しているシステムに対して有効な監視機能を提供します。
簡単に言えば、Microsoftが世界中に展開しているデータセンタにあるMicrosoftの監視システムを、自社のシステム監視に使える機能です。
通常、自社のシステムを監視したいとなったら、自社で監視システムを構築して、その監視システムから監視対象システムを監視します。
ただ、この場合、監視は十分とは言えません。例えば東京にあるシステムを東京の監視システムから監視していたとします。
ここで、東京と大阪間のネットワークに問題が発生したとして、それを東京の監視システムは検知できない可能性があります。東京・大阪を例に出しましたが、グローバルにサービスを展開している企業の場合はなおさらです。
世界中のMicrosoftのシステムから監視を行うことで、日本からの監視だけではなく、より実際のエンドユーザに近い場所から(つまり世界中のから)の監視ができるようになります。
前置きが長くなりましたが、実際にまずは設定して動かしてみます。
最初に90日評価版用のIDを取得する必要があります。
このIDは通常のxxxxxxx@hotmail.comのようなWindows Live IDとは別にorganizational accountというIDを取得します。
以下のURLにアクセスします。
https://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/system-center/global-service-monitor.aspx
画面下の方のサインインをクリックします。
organizational account持っていないので、「SET UP ACCOUNT」選択します。
もろもろ情報を入れるとアカウントが発行されます。
暫くすると、以下のようなメールが届きます。
下にはorganizational accountのIDも記載されているので、覚えておいてください。
真ん中のリンクからGSMの管理パックをダウンロードします。
ダウンロードします。
MSI形式になっているので、まずはインストール作業します。
途中でフォルダを聞かれるのですが、ここのフォルダに管理パックが保存されるので、覚えておいて下さい。
SCOMから「管理」>「管理パック」>「管理パックのインポート」と進みます。
ディスクから追加するを選びます。
いいえを選びます。
ここで先ほど配置した管理パックを選択してインポートします。
インポート中に以下のエラーが出る場合があります。
これは依存関係のある管理パック「Microsoft.SystemCenter.AlertAttachment」が無いため起こります。この管理パックはSystem Center 2012 SP1のロールアップに含まれますので以下をインストールしてください。
Operations Manager Server (KB2784734)
http://support.microsoft.com/kb/2785682/ja
通常Cドライブインストールの場合は以下のフォルダにあります。
C:\Program Files\System Center 2012\Operations Manager\Server\Management Packs for Update Rollups\Microsoft.SystemCenter.AlertAttachment.mpb
この管理パックを先にインポートしてください。
これでGSMの管理パックも無事インポートできるようになりました。
GSMの設定は「管理」>「Global Service Monitor」から行います。
まずは「Install Windows Identity Foundation」をクリックしてください。
ダウンロード画面にジャンプするのでそのままダウンロードします。
そのままインストール。
インストールが完了するとGlobal Service Monitorの管理画面が変わります。
今度は「Start Subscription」を選択してください。
先ほど取得したIDとパスワードを入れます。
そのまま次へ。
リソースプールを聞かれるのですが、後から変更できないようなので、新規でリソースプール作るため、「New」ボタンをクリックします。
適当な名前でリソースプール作ります。
今回はスタンドアロン構成なので、SCOMサーバー自身を追加します。
内容確認して次へ。
これでリソースプールができました。
作成したリソースプールを指定して次へ。
内容確認して次へ。
これでGSMを使う準備完了です。
次はGlobal Service Monitorの設定に入ります。
Configure Web Application Availability Testsを選択します。
Webアプリケーションの可用性の監視を選択します。
専用の管理パックを作り、それを割り当てます。
名前もわかりやすいもの入れて下さい。
監視対象を設定します。
画面では、このブログを監視対象として設定してみました。
監視システムを追加していきます。
世界中のMicrosoftの拠点が選択可能です。
SCOM自身も監視システムとして「内部の場所」に追加してみます。
設定内容を確認します。
構成の変更から監視タイミングや項目を設定できます。
これで作成ボタンを押して設定完了です。
ここまでで設定作業は終わりです。次の利用編は実際の監視画面等を見て行きたいです。