VMWare vCenter Converter Standaloneを利用して古いインフラ環境(物理・ESXi4.0)を撤廃してみた

VMWare ESXi6.0で運用を始めたのですが、旧環境が残っており、スムーズな移行方法を探していました。

特にCentOS5系で動いている物理マシンと、ESXi4.0上の仮想マシンがやっかいでした。

VMware vCenter Converter Standalone

そこで見つけたのがVMware純正の無償ツールであるVMware vCenter Converter Standaloneでした。

今回は、VMware vCenter Converter Standaloneのバージョン6.1を利用しました。

ツールのダウンロードはこちらから行います。VMWareのIDが必要です。

https://my.vmware.com/group/vmware/info?slug=infrastructure_operations_management/vmware_vcenter_converter_standalone/6_1

サポート対象OSなどはこちらにあるユーザマニュアルに記載があります。

Windows vistaからRHEL、CentOS、Suse、Ubuntuと多くのOSがサポートされています。

www.vmware.com

後で書きますが、P2VもV2Vも自由自在です。更に無償なので凄いツールです。

ESXiも無償で使えるので小規模ならこれだけで仮想化技術のメリットを十分に得ることができる思います。

yomon.hatenablog.com

V2V実行

VMware vCenter Converter Standaloneを使ってESXi4.0からESXi6.0の環境に仮想マシンを移行(V2V)します。

インストールは特筆する手順無いので省略します。今回はWindows 10にインストールしました。デスクトップからVMware vCenter Converter Standaloneを起動します。

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「Convert machine」ボタンをクリックして処理の設定を行います。

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コピー元となる仮想マシンは事前に停止しておきます。この停止済みの仮想マシンが配置されているESXi4.0ホストへ接続します。

設定としては「Powered off」で「VMware Infrastructure virtual machine」を選択します。ESXiへのログオン情報を入力します。

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コピー元のESXi4.0上の仮想マシン一覧が表示されます。コピー元仮想マシンを選択して続行します。

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今度はコピー先のESXi6.0の接続情報を入力します。

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コピー先のESXi6.0に配置した際の仮想マシン名を入力します。

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Datastoreをどこにするかと、仮想マシンのバージョンなども設定可能です。

仮想マシンのバージョンは以下のKBなどを参考してください。

https://kb.vmware.com/selfservice/microsites/search.do?language=en_US&cmd=displayKC&externalId=2078427

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CPU数やメモリ容量、NICの数といった仮想マシンの定義情報を指定していきます。このタイミングでThickやThinと仮想ディスクタイプを変えることも可能です。

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後は実行することでジョブが登録されるので、経過を確認します。

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ネットワーク環境などリソースによりますが、などによりますが、使っている環境では20Mbpsくらいで処理が進みました。

P2V移行

上ではESXi上の仮想マシンを移行(V2V)しましたが、このツールはP2Vもできます。

P2Vしてみた

こちらのブログ画面ショット付きの手順があったのでご紹介しておきます。

blogs.vmware.com

Linuxの場合はコピー元のマシンにSSHさえ繋がれば、P2VもV2Vとほぼ同じような手順で実行できます。

SSHで接続するのでP2Vの場合は仮想マシンは起動したままにします。

設定の途中でSSHへのログオン情報を入力するのですが、その上でソースの情報を照会してみます。

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OSの基本情報が取得されています。Physical machineであることや、OSのバージョンなども出ています。(CentOS5.9なのですがRHEL5.9と出てますね)

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こちらもコピー後の仮想マシンの設定を行えるのですが、物理ディスクからデータをSSH経由でコピーしてくるようで、ディスクのサイズは実際に利用している容量まで縮小可能です。自分でGB単位で指定することも可能です。

Helper VMという設定がありますが、P2V処理中は一時的に空の仮想マシンが立ち上がるので、そのためのIPアドレスが必要になります。

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実際に起動処理中には仮想コンソール覗いてみると、ttylinuxが上がっているのが確認できます。

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ttylinuxですが8MBのLinuxのようです。

ttylinux is a small collection of very small GNU/Linux distributions; the smallest can fit in 8 MB of disk space.

freecode.com

P2V概要

SSHでコピー元の情報を取得し、Converterはコピー先のESXiにConverterが持つisoからbootした空のVM(Helper VM)を作成します。これが上で書いたttylinuxです。

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※図はマニュアルより引用

このHelperVMがコピー処理中の受け皿になります。HelperVMはSSHでコピー元のマシンに接続してデータをコピーしてきます。

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※図はマニュアルより引用

後処理でESXiで起動するように設定が走り、HelperVMはシャットダウンされ、コピーしたVMが立ち上がってきます。

P2VやV2Vも自由自在でかなり便利です。これが無償とは流石VMware。