Microsoft Operations Management SuiteはAzureの提供しているクラウドの運用管理スイート製品です。現時点での実体は以下の4サービスのようです。(+System Centerもか)
- Operational Insights
- Backup
- Site Recovery
- Automation
中でも従来の括りなら監視やモニタリングという分野にあたるであろうOperational Insightsを触ってみました。(System Center で言えばSCOMに当たりそうです)
監視対象の接続設定
設定方法は以下のURLから「無料で試す」でガイドが始まります。
http://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/operational-insights/
ガイド通り進めると簡単に設定ができますが、一点だけ躓いたポイントを書いておきます。
SCOMコンソールの管理からOperational Insights向けの設定画面が見えるはずのところが、古いSystem Center Advisorの画面のままでした。実際はここからも設定できるみたいですが。
これはソフトウェアのバージョンに依存している事象です。以下のバージョンから新しいOperational Insightsの設定画面になります。
- System Center Operations Manager 2012 SP1 UR9
- System Center Operations Manager 2012 R2 UR5
私の使っている検証環境は少し古いSCOM2012R2だったので、UR6を適用してから作業を開始しました。しかし、URを適用しただけでは駄目で、URと一緒に提供されているManagement Packも適用してあげることで以下のようにOperatinal Insightsの設定画面になりました。
関連するManagement Packは以下のフォルダにURと一緒にインストールされていました。
C:\Program Files\Microsoft System Center 2012 R2\Operations Manager\Server\Management Packs for Update Rollups
Microsoft.SystemCenter.Advisor.Internal.mpb
Microsoft.SystemCenter.Advisor.mpb
Microsoft.SystemCenter.Advisor.Resources.[LANG].mpb
トップ画面
最初のトップ画面は以下のようになっています。まだ何も見られません。
Settingsタブでデータソースやイベントの設定をしたり、Solutions Galleryから機能を追加したり、My Dashboardで自分用のダッシュボードを作ったりして使います。
データソースの設定
監視・分析対象のデータソースとして必要なデータはSettingsのメニューから行いますが、以下の設定画面から監視できるものがわかります。
基本的にサーバを監視することになると思うのですが、Agentを直接サーバに入れる方法と、SCOMを介して監視する方法があるようです。SCOMを介した場合も基本はAgent入れることになりますが。
監視できるモノは以下の通りのようです。
- Windows(64bit)
- SCOMの管理グループ(に紐付いたサーバ)
- Azure Storage
以下はCOMMING SOON。
AzureストレージはストレージのIOパフォーマンスなんかが見れるのかと思いきや以下のようなイベントログが見れるようです。
データ型 | BLOBコンテナー |
---|---|
IISログ | wad-iis-logfiles |
イベント型 | WADWindowsEventLogsTable |
Syslog(Linux) | LinuxsyslogVer2v0 |
Azureストレージアカウントの設定はAzure管理ポータルから行います。
機能を追加
トップ画面のSolution Galleryのメニューを選択するとSCOMのManagement Packのように機能の追加ができます。正式な名前はintelligence packs(IPs)というようです。
以下の画面のようにアイテムが並ぶので、簡単に機能追加ができます。前身がSsytem Center Advisorなだけあって(?)Assesmentという単語が多く並んでいるのが見えます。
Solutionを見てみる
では、いくつかSolutionを追加して見てみます。
AD Assesment
こちらのSolutionはADの推奨設定をチェックしてくれました。検証環境なのでボロボロなのは目を瞑ってください。
出力されていた推奨を一部抜粋してみます。
- Create additional global catalog servers.
- Configure valid Domain Names Service servers on the domain controllers.
- Ensure directory partitions are backed up frequently.
- Create additional global catalog servers.
- Create additional global catalog servers.
などなど。
それぞれの項目について推奨の設定手順まで解説してくれています。
SQL Assesment
こちらのSolutionはSQL Serverの設定をチェックしてくれます。
出力されていたSQL Server関連の推奨を一部抜粋してみます。
- Consider disabling the xp_cmdshell extended stored procedure.
- Avoid adding users to the db_owner database role.
- Ensure only essential users are added to the SQL Server sysadmin server role.
- Avoid using administrator accounts to run the SQL Server service.
- Avoid running SQL Server Agent jobs using highly-privileged accounts.
- Apply Windows password policies to SQL Server logins.
- Configure the SQL Server Agent service to use a recommended account.
- Schedule full database backups at least weekly.
などなど。
もちろん推奨設定毎にアクションまで説明してくれています。
参考情報
まだ、そこまで情報が多く無いのですが、SCOMと比較しての位置づけは?Operational Insightsの得意な部分は?IPでできることは?などの情報が一番纏まっているのは、今のところ以下の無料の書籍だと思います。2015年4月発行なのでまだ新しいです。P95~P103くらいまでがOperational Insightsのことが書いてあります。
Microsoft System Center Operations Manager Field Experience
http://www.microsoftvirtualacademy.com/ebooks#syscenter