Self-Service Portal for System Center 2012(旧System Center Service Manager Self Service Portal、日本語でセルフサービスポータル)の設定について書いていこうと思います。StepByStepの設定方法はこちらのホワイトペーパーに詳しく纏まってるのでこちらを見ていただければわかると思います。
ただ、設定してみるとわかるのですが、設定項目が多いのとSCSMの中の多くの要素が複雑に関連しているため、自分が今どこの設定を何のためにやっているのかわからなくなりがちです。まずは設定内容を概要図に纏めて見ました。この図に沿ってポイントを纏めていきたいと思います。
図では、項目の番号が下から上にの順になってしまっていますが、説明は図の番号順に合わせてあります。
①同期フォルダの設定とRunbookの作成
SCOのRunbook Designerからフォルダを作成して、SCSMとの連携で使いたいRunbookをその中に纏めて作成します。
②Webサービスによる同期
この仕組はSCSMとSCOが連携しています。SCSMはCMDBとしてそれぞれのSystemCenter製品の情報を吸い上げ構成情報として管理するために、コネクタという仕組みを持っています。
SCOは以下のURLでWebサービスを公開しています。
http://<SCO Host>:<web service port>/Orchestrator2012/Orchestrator.svc/
※Webサービスのポート番号はインストール時に指定します。通常は81です。
実際にブラウザでアクセスするとWebサービスの定義を見ることができます。
まずはこのSCOの公開しているWebサービスに対して、SCSM側でコネクタを作成しSCSMとSCO間の同期を行います。ここで同期対象として選択できるのが①でRunbook Designerで作成した同期フォルダになります。
③ライブラリへRunbook登録
コネクタによる同期が完了すると、同期フォルダの中のRunbookがSCSM上のライブラリに登録されます。これでRunbookをSCSMの設定で使える要素として認識できました。
④テンプレートへRunbookの割り当て
要素として取り込んだRunbookを、サービス処理で利用するために、Runbook活動テンプレートに割り当てます。これでSCSMの他の要素とRunbookが連携するための設定が整いました。
⑤テンプレートを組み合わせてワークフローを構成
承認処理などのSCSMの他の要素と、④で作成したRunbookのテンプレートを組み合わせてワークフローを作っていきます。
⑥セルフサービスポータル公開用の設定(リクエスト提供の作成)
作成したワークフローなどの要素をセルフサービスポータルに公開できる形に設定していきます。
⑤で作ったテンプレートをセルフサービスポータル上で、どのように見せるかを設定していきます。
タイトルテキストや画像などを設定。
セルフサービスポータルのユーザの入力項目を設定。
ユーザに入力してもらった項目と、Runbookのインプットなどをマッピング。
⑦リクエスト提供をグループ化(サービス提供の作成)
⑥で作ったリクエスト提供などを業務分野などの単位でグループ化し、サービスとしてセルフサービスに公開する設定をしていきます。
複数のリクエスト提供を紐付けられます。
⑧セルフサービスポータルへ公開
⑦で作成したサービス提供がトップ画面に並びます。
サービス提供の中に入ると、サービス提供に紐付けられたリクエスト提供が並びます。
リクエスト提供のから要求フォームを起こすと、⑥で設定した引数を入力してワークフローを開始できます。
今回の設定の前提となっているSCSMのインストールやSCOのインストールはこちらの記事にも書いてあるのでご参考になれば幸いです。
【System Center】完全無償でSCSMを試す 第1回目
【System Center】完全無償でSCSMを試す 第2回目
System Center Orchestrator 2012 SP1インストール手順