2022年の仕事を振り返る

2022年も終わりに近付いてきたので今年も振り返りを書こうと思います。

使ってきた技術

使っている技術分野は2020年から変わらず全方位戦です。AWS、Azure、GCPは全て使っていますし、SORACOMも使っている。新サービス検証もすれば、アーキテクチャ設計もしていれば、コードも毎日書いています。

今年の特徴だったのはAI/ML関連の開発が増えたことです。といっても私が機械学習のコード書くわけではありません。MLOpsと呼ばれる分野になると思いますが、MLをITサービス内で活用するための開発に多く携わってきました。以下の有名な図のML Code以外の部分です。

引用元:Hidden Technical Debt in Machine Learning Systems

いわゆる、企業内の研究者のような生粋のITエンジニアでない方々(総じて皆様ITも詳しいですが)と一緒にお仕事できることが増えております。沢山の刺激をいただき知的好奇心を満たせた一年でした。来年もこの流れは続けば良いなと考えています。

最近はMLflowなどを中心に使っていますが、この辺りは来年どこかで記事にもしていきたいと思っています。

仕事への関わり方を見直した

今年で40歳になりました。節目を迎え、自分の人生の残り時間を強く意識するようになりました。体力の低下を感じますし、家族との時間を大切にしたい思いも強く感じています。

そんな中、自分がその残り時間でやりたいことを何度も見直しました。明確に「嫌いな分野」かつ「苦手な分野」というのは元々量も少なく問題になりませんでした。特に見直したのは「得意だけれど、どちらかと言うと嫌いな分野」、頑張っていても「平均点すらとれない分野」は気付かないうちに抱え込んでいました。この辺りを良く洗い出しました。最終的には好きで且つ得意な分野を中心に仕事を組み立て直した一年でした。

特に頑張っていても「平均点すらとれない分野」を考えて認識するのが辛いながらも一番大事だったかもしれません。その中には他の人にご迷惑をかけてしまっていた分野もありました。この辺りは反省の一年でもありました。

幸い、自分の場合は趣味がITなこともあり、仕事の組み立てを間違えなければ、趣味の時間は改めて取る必要が無いのが幸せなところです。今は楽しく成長をしながらも成果を上げられる働き方の手応えを感じ始めています。

もう少し具体的に書けば、今私が入っている開発は漏れなく、「手を動かすアドバイザー」という感じの入り方をしています。難易度が高い部分や、新しいサービスが関わる部分の実装で手を動かしつつ、チームにスキトラしたり、開発全体に関してもサポートさせていただくような立ち位置です。業界用語で言えば伴走や内製支援などと言うのかもしれません。

その働き方ができているプロジェクトの1つが、イベント登壇と以下で資料も公開させていただいているこちらのプロジェクトです。お客様も、メインベンダーの開発チームの皆様にも大変感謝です。

【セミナー講演資料】ENEOS様事例:脱炭素に向けたエネルギーマネジメントシステム開発

所属している会社が上場した

今年2月に会社が上場しました。上場企業に勤めた経験が無かったですし、上場のタイミングに立ち会えるのはとても良い経験でした。四季報に自社の記事が載っているのを見た時は結構感動しました。

別の視点では自社の有価証券報告書を読むとかなり細かく読むことになるので、結果として勉強できているのか他社の有価証券報告書を読む際にも理解が深まったという副次的な効果がありました。特に自社に規模の近い会社の有価証券報告書を読むのが楽しく感じるようになりました。

今年読んで印象に残っている書籍

今年も色々な書籍に楽しませてもらいましたが、印象に残っているものを挙げておきます。

  • ジェラルド・ワインバーグ(コンサルタントの秘密・スーパーエンジニアへの道 等)
  • ピーター・F・ドラッカー (マネジメント・プロフェッショナルの条件・経営者の条件 等)

ワインバーグとドラッカーは今年読んだと言うよりも、毎年読み直していますが、毎年気付きがあります。紙書籍とKindle両方買って、それぞれ10冊くらいは並んでいて何かあると読み返しています。

  • マルクス・アウレーリウス (自省録 等)
  • セネカ(生の短さについて、怒りについて 等)
  • エピクテトス(人生談義 等)

後期ストア派が好きです。こちらの括りも上と同じで、毎年何周も読み返している書籍です。ただ40歳という節目の今年は、例年よりも強く印象に残ったという感じです。岩波書店の書籍もよみながらも、それらをもっと軽く解説している書籍も好きです。同じことを色々な角度から読めると染みついていく感じがします。読んでいると自分のことを反省していて、いつの間にか独り言を発してしまい家族から不審がられたりすることがあります・・(独り言を発するのは人それぞれかと思いますが、それくらい自分には刺さる本です)

  • 日本国紀(百田尚樹)

学生時代は歴史に全く興味を持てず、日本史も世界史も万年赤点だった自分ですが、今は歴史好きで良く読んでいます。ただ専らローマや中国の歴史の方が好きで、日本の歴史は司馬遼太郎先生の本を何冊か読んだ程度でした。内容に偏りがあるかなと感じたものの、ここまでハッキリしてると、それを含めて面白いです。この通史を読むことで初めて日本史にも興味を持てたので、来年は日本史も読んでいきたいです。

  • Webブラウザセキュリティ(米内貴志)

ブラウザやらCookieやらわかった気になっていたなと反省した一冊です。。。この本を読んだことを機に、ITの基礎を勉強し直そうと思いました。

  • オブジェクト指向のこころ

基礎を勉強し直そうとした流れでオブジェクト指向もわかった気になっているだけかもと読んだ本。ちょうど「WEB+DB PRESS Vol.132」で「オブジェクト指向神話からの脱却」という特集が組まれているので合わせて読むと面白いです。この特集は一見煽り気味のタイトルですが著者の記事にも書かれている通りオブジェクト指向=ダメみたいな話ではないです。オブジェクト指向を踏まえた歴史的経緯とかも整理されていて良記事なので読んでみると面白いと思います。

  • すごいHaskellたのしく学ぼう

数年前に買った本ですが、当時は理解できずでした。今年やっとリベンジしました。時間かかりましたけど何とか最後まで読み終わりました。Haskellをスラスラ書けるというところには至って無いのですが、関数型プログラミングの考え方は現在のITの様々な部分に取り入れられているということを気付けたので、ITそのものへの理解を引き上げてくれた一冊でした。

買って良かったもの

  • Kindle Scribe

待ちに待った大画面Kindleです。この端末のお陰で技術書をKindleのE Inkの画面で読めるようになりました。本棚に限界が来ていた我が家にとっては救世主のような端末です。Kindle Oasis等などの従来の最速端末と比べても操作時の反応が早く、ストレスが少ないのも良い点です。

  • フィットネスバイク・スピンバイク・エアロバイク

リモートワークの運動不足に危機を感じて、FitBoxというスピンバイクを年初に購入して毎日トレーニングしています。

毎日1~2時間くらい漕いでいるのですが、この時間がもったいないと感じて色々工夫していました。最初はハンドルにiPadを付けて動画見たりしていたのですが、コード書いたり調べ物もしたいなと考えるようになってきました。 今は写真のようにハンドル外して、スタンディングデスクと一緒に使っています。これでトレーニングしながらもコーディングしたりしていて良い感じです。

このブログも10年目です

来年5月でブログ作ってから丸10年になります。10年前の記事を見ると当時が鮮明に思い出せるので面白いです。

そんな中、去年までは毎月欠かさず更新し続けてきたブログが、今年は4月、9月、10月と記事を書けませんでした。小さい内容はQiita側に書いていたので分散したというのもあるかもしれません。ただ、それを踏まえても記事が減ってきたのはあきらかです。

特に強制力を持って書いてきた訳ではないからこそ、この記事数は自分のバロメータの一つだったりします。年末年始休暇使って自分の状態も見直していきたいなと思っています。

最後に

つらつらと書いてしまいましたが、振り返り記事を書くのは時間かかります。それでもやはり今年も書いてみて良かったです。自分の場合は言語化していくというのは大切なプロセスなのかもしれないと改めて感じています。

今年関わっていただいた皆様、ありがとうございました。来年も何卒宜しくお願いいたします!