「しくみがわかるKubernetes~Azureで動かしながら学ぶコンセプトと実践知識」を読んだ

今度、Kubernetes使うので、復習としてこちらの書籍読みました。

構成

目次は以下でした。

  • 第1部 導入編
    • CHAPTER 01 コンテナーとKubernetes
    • CHAPTER 02 Kubernetesの環境構築
    • CHAPTER 03 Kubernetesを動かしてみよう
  • 第2部 基本編
    • CHAPTER 04 Kubernetesの要点
    • CHAPTER 05 コンテナーアプリケーションの実行
    • CHAPTER 06 アプリケーションのデプロイ
  • 第3部 実践編
    • CHAPTER 07 アーキテクチャーと設計原則
    • CHAPTER 08 可用性(Availability)
    • CHAPTER 09 拡張性(Scalability)
    • CHAPTER 10 保守性(Manageability)
    • CHAPTER 11 リソース分離(Security)
    • CHAPTER 12 可観測性(Observability)

1部と2部は、以下のリポジトリの内容などを元に、主に手を動かしてKubernetesを理解していく形です。

github.com

3部も手を動かすところもありますが、それよりは、2章までの知識を前提にKubernetesについてポイントになる各論について理解を深めていく形でした。

本読むの遅いほうですが、第2部まで読みながら動かしながらで4~5時間、3部で3時間くらいで読み終わりました。

内容

Azure Kubernetes Service (AKS)の書籍とタイトルにありますが、Azure固有の部分といえば、最初にKubernetesのクラスタ立てるところや、個別の説明の後に少しだけ「Azureの場合」という説明がある程度です。AKSはもちろんなのですが、Kubernetesの書籍としてとても良書だと思います。

コンポーネントや動きの説明が詳しくされているのもそうなのですが、最初から最後まで一貫して、その動きや仕組みに至るKubernetesの設計思想が説明されていました。

単純に個別の要素の理解でなく、Kubernetesが何を目指していて、そういう設計になったのかというのが、現場での応用には、そういう部分が一番役に立つと思っているので、ありがたいなと思って読ませていただきました。

2部までも手を動かしながらスムーズに理解できるように構成されていて、「Azure使わなくてもKubernetes使うならオススメだよ」という内容ですが、特に3部はもっと良かったです、個人的には「Kubernetes使わなくてもオススメだよ」という内容でした。

実際は2部までも前提知識があってこそ、3部が理解できる内容ですが、Kubernetesというソフトウェアを媒介として、昨今のクラウド、マイクロサービスアーキテクチャ、サーバーレスといったコンテキストにおけるアーキテクチャ設計のヒントが多く書かれていました。

- 第3部 実践編
  - CHAPTER 07 アーキテクチャーと設計原則
  - CHAPTER 08 可用性(Availability)
  - CHAPTER 09 拡張性(Scalability)
  - CHAPTER 10 保守性(Manageability)
  - CHAPTER 11 リソース分離(Security)
  - CHAPTER 12 可観測性(Observability)

純粋な内容以外

文章が上手いのもありますが、説明の展開の仕方がとてもわかりやすいです。ストーリーになって説明が流れているように感じました。章立て等の構成も良く練られてて、最初から続けて読むと、ほぼ詰まることなくスムーズに理解できる流れだと思います。

あと、途中に出てくる絵がとてもわかりやすいのも印象的でした。その説明で必要なものを絞って描かれているなと、資料作りの意味でも参考になりそうです。

書籍より引用

さいごに

「しくみがわかるKubernetes~Azureで動かしながら学ぶコンセプトと実践知識」

  • Azureで動かしながら学ぶ

そもそもKubernetes自体が共通基盤みたいな感じなので、書いた通りAzure要素が多いわけではないですが、Azureの無料枠でやったのでその点は正に。

  • 「しくみがわかる」、「コンセプトと実践知識」

ここは本当に意識されているのがわかる内容でした。コンセプトから仕組みを理解すると、実践に応用できるので、タイトルに嘘偽り無しかと。

全面的に褒めた書評になってしまいましたが、とても勉強になりましたし、これからも読み返すこと多そうです。著者の方ありがとうございました。