技術ブログの続け方

先日RSSにこんな記事がフィードに入ってきました。

blog.soracom.jp

「技術ブログの書き方」とあり興味を引かれて読んでみると以下のようなことが書かれていました。

技術ブログは普通のブログとは異なります。 未来の自分へのドキュメント です。 「あー、これ既にやったことあるなー。なんだっけ?」とググった先が自分のブログであっ>てほしい、そんな思いで書いてみてください。 一番最初の利用者が自分、すなわちドッグフーディングしましょう。これはサービス開発でも、ブログでも共通して言えることです。

当ブログの右側にある「このブログについて」と同じこと言っていると思い、とても嬉しかったです。

嬉しいついでに自分も技術ブログを書いている者の1人として何かブログの書き方的な記事書こうかなと考えました。振り返ってみると、当ブログは2013年5月から毎月欠かさずポストしてきたということが一つ特徴あるかなと思い、タイトルの通り技術ブログの続け方というのを書いてみようと思いました。

誰でも始められる

はてなの人気エントリに流れてくるエントリは、所謂スーパーエンジニアの方々の、とても勉強になる記事が多かったりします。

そんな中、自分のような普通のエンジニアがブログを始めたとして「意味あるのかな?」、「続けられるのかな?」みたいな不安が最初はありました。

当時はとりあえず始めてみるかと開き直り始めてみたのですが、今となっては冒頭にも書いた通り結局は自分のためのものという答えが出ています。

後述するように、技術的なスキルやTipsを自分のメモに留めずに、インターネットに公開するということにはメリットが沢山あります。インターネットを汚している罪悪感的なものは正直少しあったりしますが、それでも時々は自分のエントリが役立ったと言ってくれる人がいたりするので、そういう時は救われます。

技術ブログは自分のため、メリットも沢山となれば誰でも始められると思っています。

スタートが肝心

今まで何人か知人からブログの始め方相談されたことありますが、そのたびに言うのは「とりあえず30記事書く」でした。これは当時ブログの始め方のような記事を読んでいて書いてあったことの受け売りですが、合っていると思っています。

30という数字は、1ヵ月毎日書くくらいのイメージです。言うのは簡単ですが、自分の場合はかなり苦労しましたが、それでもここは頑張ってみてください。

※↓最初の2ヶ月くらいかなり頑張っていたのがわかります。

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ブログの書き始めたばかりの頃は、今までの仕事や技術検証したいと思ってたものがいくつかあったので、それをネタに書きました。文章書くのに慣れていない中で大変でしたが、何とか書き上げて公開します。私の場合は最初公開ボタンを押すのも緊張した気がします。そうやって何とか公開していも、最初は誰も読みに来てくれません。記事を書くのも今よりかなり時間がかかっていました。疲れます。全てがブログ続けるのを止めるのに十分すぎる理由な気がしています。

だからこそ最初に30という記事数を決めることに意味があると思っています。反応がどうであれ、大変であれ、とりあえず書くというのを勧めています。きっと30記事書き終わる頃には以下のような好循環が始まっているかもしれません。

文章の書き方がわかってくる

文章は書き慣れてこれば私のような文章下手な人でも、何とか読める程度には書けるようになってくるものです。技術ブログは日本語下手でも技術的な内容を重視してみてもらえるのでありがたいです。

記事を公開することに慣れてくる

心理的側面が大きいですが、公開ボタンを押すのが楽になってきます。

読者が増えてくる

30記事くらい書くとGoogleも認識してくれる頃で読んでくれる人も増えたりします。今でこそPVとか気にしないですが、最初の方はとても気になっていて、当初はGAや、はてなのアクセス数を仕事中も見ていたろそました。初めて知らない誰かが記事を読んでくれた時は感動したのを覚えています。

ネタが尽きてくる

全てが好循環に入ると思いきや、ネタ切れ起こし始めます。だって「技術ブログ」だし普通のエンジニアなので。365日毎日新しい技術ネタが入ってくるなんてことは無理なので、毎日1記事更新は難しい人がほとんどでないかなと思います。ブログを続けるにはと題名に付けたこのエントリで話したいところはこのあたりです。

ネタ出しリズム作り

私の場合は、月2〜4記事くらいの頻度でこのブログを更新しているようです。これは意識しているわけではなく、結果として染みついたリズムです。このリズムのおかげで、あまり意識しなくてもブログを続けられています。

エンジニアと同じ呼ばれ方をしていても人によって仕事の内容、種類も全く違います。きっと自分なりのネタ出しのリズムが皆にあるのだと想像しますが、ここではこのブログのネタ出しの方法を書いてみます。

本ブログの記事をカテゴライズしてみた

ネタ探しの観点から本ブログの記事を個人的にカテゴリすると以下の3種類かと思っています。なお、割合は感覚値です。

  • 短文技術ブログ(80%)
  • 経緯メモ(15%)
  • 雑記系(5%)

それぞれネタの見つけ方や例を書いてみます。

① 短文技術ブログ 〜ググってわからないエラーはブログネタ〜

特にインフラに近しいエンジニアの方は日々エラーとの戦いだと思います。私の場合、突き当たったエラーや課題をググってみて情報無ければ、それをブログのネタ候補にすることにしています。英語しか情報無いときも自分なりに噛み砕いて記事にして、ソースとなったリンクと一緒に書いたりしています。

このルールは自分の中で自動化されています。だいたい一ヶ月に4〜5回はこのルールでネタが出てきます。そのうち半分は調べている途中にもっと良い情報がブログにされていたりでボツにしたりします。最後まで書き終えてからもっと同じこと書いてあるブログ等が見つかる場合もあるのですが、その時には自分のメモであるという方針のもと公開してしまいます。結果として毎月コンスタントに2〜3件のブログ記事ができていきます。

このルールには副次的なメリットがあります。普通はエラーに突き当たって少し調べて原因がわからない、所謂「ハマってしまった」状態になると気持ちが落ち込みます。ただ、ブログネタになると思うと少しテンションが上がったりすることがあり、調査に関してもモチベーション高くいけたりします。

【記事の例】

例えばこんな記事。ちょっと詰まったポイントを、エラー内容と対応書いただけの記事です。 こんな簡単なメモ書きレベルの記事でも未だに40PV/1日とかのアクセスあったりします。私がこのエラーの調査にかかったのが20分くらいだったでしょうか。終わった後に経緯まとめて書くのに使った時間は10分くらいだったとして、これを読んだ人が5分で解決できたのなら、自分の30分で、沢山の人の15分が節約できたと考えると嬉しかったりします。

yomon.hatenablog.com

② 経緯メモ 〜大きな調査や検証の結果はブログネタ〜

大きな調査や検証を行なって、成果が出たり、区切りがついた後は経緯をブログに「整理する」ようにしています。

このパターンの場合、重要なのは「汎用化」です、別の言い方をすれば、経緯に対するサービスやシステムの独自性の排除です。これができないものは企業秘密だったりするので、私の場合はそもそもブログに公開しません。

このパターンは結構頑張っていて、場合によっては新規でサーバ立てて、別環境用意してでも再現させて、周辺事実の調査を合わせて汎用化してブログ化することがあります。

何故そこまでするかというと、その過程で得られる知識が大きいからです。せっかく何か大きな課題を解決したとしても、その実調査中にはスピードや効率の観点から、100%理解せずにスキップしてしまっている項目がいくつもあるはずです。汎用化というのは局所的な課題を解決するのに比較すると、深い理解が必要になります。また、時間をかけて向き合って記した記事はその後も長期に渡って自分の知識を支えてくれます。

【記事の例】

例えばこんな記事。実際に課題の解決に使ったのは内容の一部だけです。それでも汎用化させて整理しました。書いた時点で必要だった知識は一部でしたが、後から何度も必要になり既に何度も自分自身が読み返しているページになります。

「あー、前に調べたことあるかも」って結構あると思うのですが、既にリセットされてしまっている過去の時点の思考が、いつでも短時間で呼び起こせるところが楽しいです。

yomon.hatenablog.com

③ 雑記系 〜気が向いたら〜

雑記系は気が向いたら書いてます。このブログもそうですし、資格マニアなので資格取った時とか、新しいガジェット買った時とかもそうです。ただ、このジャンルの記事については自分で読み返すことほとんど無いです。恥ずかしくなるので・・・でも、実際の知人が読んでくくれてフィードバックくれるのはこういった記事だったりします。

続けることで得られるメリット

自分のリズムが見つかると習慣化されて半自動的にブログ記事は続いていきます。そしてある程度続けて気がつくと、続けたからこそ得られるメリットが、継続を更に後押ししてくれます。

仕事に繋がる

ブログを通じて仕事のお誘いの電話がかかってきたことが何度かありました。よくわからないルートからくるお誘いと違ってとても嬉しかったりします。ただ、会社なんてそんなに頻繁に移動するものでは無いしこれは実際のメリットとは遠いかもしれません。

ただ、ITコンサルタントとして動いている時にブログ経由で話が広がる場合は、実際の仕事に繋がりやすいです。そういう流れでご縁があった仕事は楽しいものが多かったりします。

これらは、私のレベルでは時々ある程度のものなのですが、それでも、技術者としてのモチベーションにプラスに働くものだと思っています。

収入が入る

このブログの右側に張ってる広告とかで、だいたい月5000円くらい入ってきます。私は読書好きなので、ここでの収入は全て書籍に使うことにしています。毎月技術書を2冊気兼ねなく買えるというのはメリットです。一時期、ブログの収入で買った本に関しては感想とかをここで書こうと思ったのですが、思いのほか苦手だったようで続きませんでした。結局、その本で得たスキルを使った技術ブログを書くというところに落ち着きました・・・

スキルの蓄積

これが間違いなく最大のメリットです。ブログは書くだけでもスキルアップには繋がると思うのですが、もっと重要なのは自分のスキルの蓄積になることです。

先日も4年以上前に書いた記事に対して知人から聞かれたりしました。その際もまず思考を復元するのに利用できるのは自分のブログです。自分が書いたものなので背景まで思い出すことができます。自分で書いたブログには、自分にしかわからない価値みたいなのがあると思っています。

まとめ

IT業界は本当に変化が早いです。毎年のように新しい技術を使っている気がします。ただ新しい技術が増えたからといって不要になった技術ってほとんど無いのではないかと思います。実際に今はサーバーレスで開発していますし、コンテナも普通に使っています。それでも13年前、私が社会人1年目のプロジェクトで得た知識も技術も未だにバリバリの現役で活躍しているものが多くあります。

今5年間続けてきて、5年前に技術ブログを書き始めた自分に感謝していますし、きっと今書いている技術ブログのうち何割かは、5年後の自分を助けてくれるものだと思っています。そう思えることが長期継続に対する一番の要因になっているのかもしれません。